CloudMigration基礎:手法とステップ
1.はじめに
今回から3回に分けてCloudMigration基礎を説明していきます。
2.CloudMigration基礎の記載範囲
CloudMigration基礎については、以下の3回で投稿してまいります。
①CloudMigration基礎:手法とステップ:☆彡今回ここ
②CloudMigration基礎:実例-事前調査・事前準備編
③CloudMigration基礎:実例-移行作業編
3.CloudMigrationとは
『CloudMigration』は、言わずもながですが、Cloudへの移行になりますが、世間一般で言うところの、「リフト」と解釈されています。
リフト=単純にクラウド上に移行すること。例えば単純にサーバをEC2にすること。
- Migrationにかかるコストとともに、納期、品質(ミスのなさ、移行時のデータの正常性)が求められます。
- インフラ運用費用やサービス利用費用は工夫しない限りはそれほど安価にならないかもしれません。
- それでもリフトしなければならない事由として、限られた予算・期間の中での既存資産の保守切れ対応や延命対応の必要性が挙げられます。
シフト=クラウドネイティブのサービスに移行すること。例えばサーバからDB部分を抜き出してRDSとすること、ロードバランサをELBとすること、DNSサービスをRoute53にすること など、マネージドのサービスを利用するように移行することです。コンテナなどサーバレスアーキテクチャの利用も最近では進んでいるかと思います。
- 新規システムのリリースや既存アプリケーション、システムの大幅改修で選択されることが多い。
- インフラとしては、要求事項への対応可否とあわせコスト性(システムとして向いているか、処理に準じた課金体系となっているか等)を見極めることが重要。
- こういったサーバレスなどに対応したシステム運用について考えるのも重要かと思います。(がここでは触れません。)
当投稿は「リフト」を念頭としたClouMigration手法について記載して参ります。
4.CloudMigration手法比較
CloudMigration構成・ステップ概要
CloudMigrationは以下のような構成、ステップで実行されます。
- 移行元マシンないしは移行元管理環境からマシンデータを抽出
- インターネットないしはお客様WAN(VPN)を経由して、移行ワーカーのEBSないしはS3Bucketにマシンデータを転送
- 移行ワーカーからコマンドを実行し、移行ワーカのEBSないしはS3内SnapshotsないしはS3Bucket内のファイルを利用してAMIを作成
- AMIからインスタンス起動・OS設定(Migrationの作業完了)
手法はそれぞれありますが、基本的には必ず上記のステップを踏みます。
CloudMigration手法分類
上述踏まえ、CloudMigrationの手法は以下に分類されます。

- VMImportを除き、オンラインバックアップ(静止点確保)ができ、初回バックアップ以降は増分ブロック型バックアップ・増分転送 が 実装された手法です
- VMImportを除き、移行先への事前定義型の自動デプロイ機能が実装された手法です
CloudMigration手法比較
所感。。

5.CloudMigrationステップ
CloudMigrationにおける作業ステップは以下の通りとなります。

- 赤部分は、移行対象ごとに実施しなければならない事項となっている。CloudEndureでは移行元にマネージャを持たないことから、移行元マシンそれぞれが通信要件を満たす必要があり、割と大変。
- VMImportにおいては、データ抽出時に仮想マシンの停止が必要になること、増分データ抽出・転送の機能を有さないことから、作業時間が図りずらい。また、AMI化とEC2化はそれぞれ別の作業となる。上記以外は1作業でAMI化→EC2化へと進む。
- 上記以外にも移行先の設計や、移行設計(および移行設計のための現状調査)も必要になりますが、ここでは割愛し、次回に述べたいと思います。
6.まとめ
ここまでいかがでしたでしたでしょうか?CloudMigrationにおいては、いくつかの手法があるものの、進めるステップはほぼ同一であることが理解いただけたかと思います。
次回は、『CloudMigration基礎:事前調査・事前準備編』ということで、VMImportやCloudEndureを利用してCloudMigrationする際の事例-事前調査や事前準備作業について投稿を予定しています。
気長にお待ちいただければ幸いです。
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