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2019/08/21

Amazon RDS for Oracle -AWS Well-Architec...

Amazon RDS for Oracle -AWS Well-Architectedフレームワーク

 

 

■はじめに

AWS Well-Architectedフレームワークは、クラウドアーキテクトがアプリケーション向けに実装可能な安全で高いパフォーマンスと耐障害性を備え、効率的なインフラストラクチャを構築することをサポートする目的で開発されました。そのためAWS Well-Architectedフレームワークを理解し考慮した上でAWSのシステムを構築することを強く推奨されています。

ここではAmazon Relational Database Service (Amazon RDS) for Oracleの観点から、公開されているAWS Well-Architectedフレームワークを見ていきます。

 

 

■フレームワーク

AWS Well-Architectedフレームワークでは、以下5つの柱に基づいて評価し、時間と共にスケールする設計を実装するための一貫したアプローチが提供されているため、システム設計、構築から運用まで、その観点を考慮することで幅広くリスクを避けることができます。

 

【AWS Well-Architectedの5つの柱】

・運用上の優秀性

・セキュリティ

・信頼性

・パフォーマンス効率

・コスト最適化

 

次に、AWS Well-Architected フレームワークの 5つの柱のそれぞれについて簡単に説明していきます。

 

 

■運用上の優秀性

-モニタリング

Amazon RDS for Oracleに対するモニタリングは、AWSが提供しているフルマネジメントモニタリングサービスAmazon CloudWatchを使うことで、データベースサーバの各リソース(CPU,メモリなど)の確認ができます。Amazon CloudWatchでのモニタリングは、従来のオンプレのシステム監視とは違い、各種ログの出力はクラウド上の一か所に集中しているため、運用負担の軽減や各種ログの管理、グラフへの出力が容易にできます。更に、Amazon CloudWatch Alarmsアクションを作成して、Amazon Simple Notification Service (SNS) トピックを通してメールで通知することもできます。

 

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■セキュリティ

-セキュリティグループ(ファイアウォール)

AWSが提供しているネットワークサービスには無料のファイアウォールサービスがあります。セキュリティグループのネットワーク通信防御機能を使って通信許可を最小限に設定し、想定外の通信を遮断することができます。

 

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■信頼性

ビジネスや顧客の要求に応えるための障害の防止や、障害からの迅速な復旧を行う機能について焦点を当てます。主要なトピックには、設定、プロジェクト間の要件、復旧計画、および変更に対処する方法についての基礎的な要素が含まれます。

 

-可用性

Amazon RDS for Oracleには、Multi-AZ配置というサービスがあります。

これは常にスタンバイ用のデータベースを用意しておき、マスターデータベースが何らかの原因でサービスが継続できなくなった場合、即座にスタンバイデータベースを起動させてサービスを継続させるという可用性を向上させるサービスです。ミッションクリティカルのシステムはこの構成を検討すべきかもしれません。

 

-バックアップ

Amazon RDS for Oracleのバックアップ機能は充実しています。自動バックアップを有効にした場合はスナップショットを最大35日間保持できるので、好きな時間に復元時刻を指定して、簡単にデータベースを復元できます。

 

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■パフォーマンス効率

パフォーマンスはシステム要件により、必要なCPUとメモリなどを決定します。そこで、Amazon RDS for OracleはvCPU、メモリ、EBSを組み合わせることで、小規模から大規模なシステムまで対応できる数十種類のインスタンスサイズが提供され、パフォーマンス要件に応じてインスタンスを選択できます。以下の図は2019年8月20日現在、標準クラスでもっとも大きなDBインスタンスサイズです。vCPUが96、メモリが384GiB、EBS送信・受信は14Gbpsになります。

 

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■コスト最適化

-インスタンスタイプの変更

システム構成をスモールスタートにしたい場合は、クラウド環境ならより簡単に実現できます。例えば、初期構築時点では2vCPUのインスタンスを選択して、半年後に8vCPUのインスタンスに変更するには数クリックで変更できるので、システムの規模に応じて柔軟に対応できます。Amazon RDS for Oracleの場合、現在柔軟に変更できるのはDBインスタンスサイズ(vCPU、メモリ)とストレージ容量になっています。更に、構築後に長期間稼働するシステムに関しては、リザーブドインスタンスを購入してキャパシティを予約すると、割引も享受できます。

 

 

■まとめ

今回はAmazon RDS for Oracle 構築の観点から、AWS Well-Architectedフレームワークの運用上の優秀性、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化5つの要素を紹介しました。もちろん、AWS Well-ArchitectedフレームワークはAmazon RDS for Oracleだけに適用するのではなく、AWS環境にシステムを構築する際には、AWS Well-Architectedフレームワークの考え方を用いてシステム全体の設計、構築、運用することで、上記の5つのメリットを最大限享受することができます。

 

より詳細な情報は、以下のAWSの公式サイトからダウンロードすることができます。

https://aws.amazon.com/jp/architecture/well-architected/

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